2017年5月26日金曜日

たっぷり時間をかけて深呼吸してみる

休みかたで寝ることのほかに大事なのは、深呼吸と力を抜くことです。
深呼吸と力を抜くことがセットになっている健康法は、じつは洋の東西を問わず、いろいろあります。
  • ヨガ
  • 気功や太極拳
  • 自律訓練法
  • 内観の秘法

きっと、ヒトが調子よくすごすための共通する本質があるのだと思います。
このなかで日本に伝わる「内観の秘法」を一部ご紹介します。白隠という禅僧が修行で体調を崩したとき、あらゆる治療を尽くしても一向によくならなかったのですが、そんなときに山中で仙人から授かった健康法だそうです。

まず、床の上に天井を向いて、しずかによこたわります。枕の高さや柔らかさは、各自が自分で気持がよいと感ずるものをもちいます。目はかるくとじ、両手両足をも適当にひらき、その力をぬきます。首、肩、背骨、腰、脚の筋肉や骨骨の力をもすっかりぬいてしまいます。口もすこしひらき、肛門や生殖器の筋肉もゆるめ、内臓の力もゆったりとして、肉体のどこにも力が凝らぬように、蒲団に、すべてを打ちまかせ、死せる肉塊のごとく、ぐったりとうもれてしまうのです。そうして次に、両手脚を長くのばし強くふみそろえて力を腰から下に入れて、しずかにかるく呼吸をし、多少気がおちつきはじめましたら、こんどはやや深くゆっくりと息をし、息を吸い込んでしまってから、かすかに息をとめます。とめてから、しずかに吐きだすのであります。吐きだす要領は、吸い込んで、かすかにとめた息を下腹の方へおとして入れるような感じで、細くゆっくりと吐きだすようにするのであります。そうすると、下腹に力がみたされた感じをうけます。この下腹(気海丹田)に保たれた力をそのままに軽くたもつようにしてふたたび、鼻孔から空気を静かにすい、気海丹田にしだいに力をみたしてゆきますと、下腹は膨れた感じになってまいります。このように下腹部に力を少しずつみたして、下半身に元気を満たしながら、しずかに上記の腹式呼吸法をつづけるのであります。 
『白隠禅師ー健康法と逸話』 直木公彦  より引用

これを4つの呪文を唱えながら三、四十分つづけ、よい気持ちになったままぐっすり眠りに入るそうです。


落ちつける環境さえあれば、他にはなにもなくてもできますね。そしてうれしい無料!

簡単にまとめると、

 1.仰向けに寝ころぶ
 2.全身の力を抜ききる
 3.息は下腹に向かって細くゆっくり吐く
 4.静かに吸っては下腹に力を満たしていく
 5.普段の生活のことや気になっていることなどは考えない
 6.「これで心身ともに元気になる」と念じながらこの呼吸をやることのみに集中する
 7.30〜40分ほどかけてじっくりやる
 8.そのまま寝る

といった感じでしょうか。

意識的に時間をかけて休むことも大事なんだと思います。多くの人は力を抜いたり深呼吸したりするのに30分もかけませんよね。

よい眠りにもつながりそうです。今夜にでもぜひ試してみてください!

2017年5月20日土曜日

いつもより早く床に入ってみる

前回はたくさん休むのがいいという話でした。挙げた休み方の中で、誰もが必ず毎日やっているのは眠ることですね。


では、たくさん眠るとはどういうことか?
単純に次のように考えてみるのはどうでしょう?


  眠りの量 = 眠りの長さ × 眠りの深さ


深さは無数の要素に影響をうけます。代表的なものとしては、

  • 精神的ストレス
  • 運動
  • アルコール
  • カフェイン
  • 物音
  • スマホやPC
  • 読書
  • テレビ
  • 明るさ
  • 湿度
  • 温度
  • 食事
  • 香り

など。ただ、それぞれに対策をしても人によって反応は様々です。必ず眠りが深くなるわけでもないためコントロールしにくい部分もありますね。個人的には、2,3時間も歩いた日はぐっすり眠れますし、カフェインや音、明るさで眠れないことはありません。

では、長さに関してはどうか?ここで、


  眠りの長さ = 横になっている時間 × 眠れてる率


とさらに分けてみます。これを最初の式に代入すると、


  眠りの量 = 横になっている時間 × 眠れてる率 × 眠りの深さ


眠れてる率を変えるのは難しそうですが、横になっている時間なら増減できますね。効率はともかく、長く横になっていれば眠りの量もいくらか増えそうです。また、眠れていなくても、暗くて静かなところで目を閉じて横になっているだけで心身ともに休めます。

ただ、横になっている時間がコントロールできるといっても、朝ずっと寝ているわけにはいかない人が多いでしょう。たとえば「夜中の2時まで起きていて、それから布団に8時間入り、午前10時に床を出て準備してから一日をはじめる」なんて無理な人が多いですよね。となると、眠りの長さ、ひいては睡眠の量を確保するためには必然的に早く床に入ることになります。6時起きで8時間寝たいなら、遅くとも午後10時には床に入る計算です。

早起きはしなくても早寝は大事、ということですね。


早寝の効用は、眠る時間の増加以外にも結構あります。

  • 一日の締切が前倒しになるので、日中の活動の効率が上がる
  • 疲れた状態で仕事に取り組むことが減る
  • しょうもないテレビやネットサーフィン、スマホゲームなどに使う時間が減る
  • 飲みに行っても早めに店を出るので、ダラダラ飲まずにサクッと切り上げられる
  • 酒量が減る  夜しか飲まないなら(笑)


また、必要ではないですが、早起きもいいですよ。

  • 静か
  • 景色がきれい  雨の上がった朝の散歩は格別 見ずに死ぬのはもったいない
  • 疲れていない状態で使える時間が長くなる
  • 早く出れば公共交通機関が空いている
  • アルコール抜きで物事と向き合える  朝から飲まないなら(笑)



今日もお疲れ様でした!
早目の時間からたくさん眠れますように!

2017年5月13日土曜日

いつもの倍は休んでみる

見えます・・見えます・・・。
ディスプレイをのぞき込む、疲れた顔が。
だいぶお疲れの様子ですね。今週も忙しかったですからね。こんなに疲れているときは、いつもの倍は休みましょう。そんな時間はない?でも、しっかり休んだほうが、結局はトータルのパフォーマンスはよくなると思いますよ。
ヒトは数万年単位で自然の淘汰をくぐり抜けてきました。誰もが日常的に灯りを使うようになってまだ100年かそこらの時間は、ヒトの歴史の中ではほんの瞬きでしかありません。微生物なら数分から数時間で次の世代に変わって目まぐるしく環境の変化に適応していきますが、ヒトは世代交代の周期が20年から30年ほどです。100年程度で急激な変化に最適化するようにはできていません。
もともとヒトは夜行性ではなく、いまも原始時代と同じようにお天道さまが出ている間に行動し、沈んだら休むことでこそうまくまわるようにできているのです。にもかかわらず、夜も休まず仕事したり、あとから後悔するしょうもない動画やSNS、まとめサイトなんかで時間を消費したりしていると、だんだん疲れがたまって調子が出なくなってきます。
さらに、夜に休めても昼が連日の活動つづきでは、やはり疲れがたまってしまいます。動物であるヒトの体は「ほとんど休んでたまに活動する」くらいでちょうどうまくいくようにできているのです。犬や猫など他の動物を観察するとわかりますが、やつらは基本的にいつも休憩してますよね。必要なときしか動かず、昼間でも常に全力で活動してはいません。それで、必要な時は全力で動けるわけです。

たまった疲れはどうすればとれるか?薬局や通販でいくら高い粉や粒や液体を買って飲んでも、売っている会社が潤うだけで、あなたの健康状態は決してよくなりません。本来ならお天道さまが沈んでいるあいだに寝ていたであろう分を休むのが一番です。そして、お天道さまが出ているあいだでも、極力多く休む。休むための時間を予定に確保しておくのがよいです。
具体的にどう休むか?たくさん寝ること以外では、ゆっくり深呼吸して心身を休ませる。力を抜いたりストレッチしたりして筋肉を休ませる。食べない時間を長くもうけたり、食事をゆっくり楽しんだりして胃腸を休ませる。そういった普遍的で基礎的なことこそ本当に効果があります。

そして、たいして疲れていないときでも、いつもより多く休むと体が軽くなりますよ。たとえば、いつもは6時間睡眠の人なら8〜9時間ほど休んでみるといいです。休憩も1時間に5分のところを20分くらいとってみる。効きます。是非。

2017年5月5日金曜日

いつもより歩いてみる

100年ほど前まで、ほとんどの人は徒歩で移動していました。江戸時代にはお伊勢詣りが流行ったそうですが、健康な大人なら江戸から伊勢を15日ほど、大坂から伊勢を5日ほどで歩いたということです。
いまでは日常の移動手段として自転車、バス、電車、船、飛行機、自家用車などがあり大変便利になりましたが、代わりにずいぶん歩かなくなりました。田舎だとすべての場所にdoor to doorでほぼ歩きませんよね。


経験から、現代人の不調の結構な割合は、たくさん歩くことで解決すると感じています。ヒトの体は数万年単位で自然の淘汰を経てきました。様々な移動手段ができて100年かそこらの時間は、ヒトの歴史の中ではほんの瞬きでしかありません。微生物なら数分から数時間で次の世代に変わって目まぐるしく環境の変化に適応していきますが、ヒトは世代交代の周期が20年から30年ほどであり、100年程度で急激な変化に最適化するようにはできておらず、いまも原始時代と同じようにたくさん歩いている状態でこそうまくまわるようにできているのです。

では、たくさん歩くことの何がいいかというと、なんといっても、無料!Free!  免費!  Gratis!  Kostenlos! ほとんど効果がなく時には副作用もあるわりにぼったくり価格である健康食品やサプリ、トクホ、さまざまな医療サービスより、断然おすすめです。
金銭面以外では、疲れます。例えば眠れない人。2時間も歩けば、晩はぐっすり眠れます。医者で睡眠薬をもらう必要はありません。睡眠薬だと力が抜けたりボーっとしたりすることもありますが、歩くと全身に力が湧いてきます。
足腰が強くなります。足腰はすべての動作の基本です。「立つとフラフラする」という高齢者は多いですが、リハビリで足腰がしっかりしてくるとフラフラはなくなることが多いです。逆に、よく歩いていながら「ふらふらする」という人はあまり聞きません。プラシーボ効果(鰯の頭も信心から)がほとんどの「めまい」の薬を医者でもらわなくていいです。鰯の頭の方が魔除けにもなっていいかもしれません。
やせます。歩いて遍路をしたことがありますが、毎日40Kmくらい歩いていると、山海の幸を楽しみつつ白米を茶碗に山盛り4杯おかわりしていても体重が減っていきました。減肥茶不要。
血圧や血糖、脂質の値がよくなります。特茶や黒烏龍茶なんていりません。
便通もよくなると言われています。青汁不要。
また、さまざまな景色を楽しめます。車や自転車が通らず自然が多いところ、水のあるところがおすすめです。四季折々の風物。人、動植物との出会い。素敵なお店を発見できることもあります。こういった楽しみのためには、ときには立ち止まりながらゆっくり歩くのがおすすめです。昼間は車が多いところでも、早朝なら静かでゆったり歩けるところもあります。車が多くない通りなら、住宅街でもまた違った楽しみがありますよ。
いろんな歩き方がありますが、目的地か時間を決めると歩きやすいです。駅や寺社、お店まで行って帰ってくる。ちょっと遠回りする道を選んでみる。30分や1時間など、時間を決めて歩く。往復するのもいいですが、片道はバスや電車にすると目的地の選択肢が広がります。いつもは自転車やバス、電車で移動しているところを歩いてみるのもいいですね。
呼吸や手足の動かし方はいろいろな流派がありますが、それを気にするほど一生懸命に歩かなくてもいいでしょう。自分で歩きやすいように楽に歩けばいいと思います。服装や靴も普段使っているもので十分です。
ただ、若干の注意も必要です。慣れない人がいきなりたくさん歩くと、足腰を痛めます。また、暗い時間に歩く場合は周りに気をつけてください。人や無灯火の自転車とぶつかったり、車から見えずにはねられたりする可能性があります。どうしても夜というのでなければ、明るい時間帯に歩きましょう。

今日は天気もいいし、出かけてみてください!