2017年6月26日月曜日

死について考えてみる

 いまよりもはるかに死が日常にありふれていた昔から、「死ぬことを忘れないこと」の重要性はたえず意識されてきました。その影響は、さまざまな美術のなかにもうかがうことができます。

 西洋なら、骸骨や動物の死体、枯れた植物などを配したもの、
   https://goo.gl/hXuZRt
 肉親の死体との写真であったり、
   https://goo.gl/DZKV5t
 日本なら、骸骨図や
   https://goo.gl/syEqVd
 涅槃図であったり。
   https://goo.gl/D3e8t7



 「死ぬことを忘れないこと」。これを、思いきっていま風な言葉にすると、


   「人生のリスクマネジメントとタイムマネジメントを怠らない」


と捉えることができると思います。

・リスクマネジメント
 ひとことで言うと「『いま自分が死んだら、誰かなにか困るか?』に対応する」こと。
 困るのは自分自身かもしれませんし、それとも自分以外のだれかかもしれません。パートナー、家族、友人、ビジネスパートナーあたりでしょうか。また、5秒後に死んでも何も困らないという人も結構たくさんいると思います。
 何が困るか? 道半ばである。金銭の支払。伝えたかったことがある。等々。
 では、困らないために何ができるか? できないことはたくさんあるでしょうが、できることも少なくはないことに気づくと思います。

 個人的には、あなたがいま死ぬと、おそらく医療関係者がどこまで何をしてよいか対応に困るので、「どんな感じで死ぬつもりなのか、まわりの人と話しておいてほしい」というのがありますが、それはまたおいおい。

・タイムマネジメント
 ひとことで言うと、「『死ぬまでにしたいことがあるか?』に対応すること」。
 元気でないとできない? なら、早めがいいですね。
 期限がある? 何年までに?何歳までに? 期限前倒しで早めに。
 所要時間は? 年単位?月単位?それ以下? 長くかかることなら早めに。
 できなくても「ま、いっか!」と思えることか? であれば、後回しで。
 これらを定期的に問い直す。
 何をやるのも、死ぬまで。実は、そのちょっと前までの元気なうち。


 「死ぬことを忘れないこと」が昔からずっと言われているということは、きっと忘れがちに生きてしまうのが人間なのだとは思います。ただ、ときどき思い起こすと、本当に大事なことにリソースを向けやすくなると思います。



  つひにゆく道とはかねてきゝしかど 昨日今日とは思はざりしを
                                 在原業平